こどもの難聴

聞こえにくさを感じるお子さんは、1,000人に1~2人

先天的に聞こえに障がいをもつ乳児の割合は1,000人に1~2人(0.1%~0.2%)といわれています。

もし、お子さまが難聴と診断された場合、フォナックから親御さんへのお願いはただ一つ、『親御さん自身がお子さまの一番の理解者になって欲しい』ということです。そのために何ができるでしょうか?まずは、「聞こえ」に対する正しい知識を備えることです。そして、医療関係者や同じ症状をもつ親御さんと良好な人間関係をつくり、情報を交換したり、悩みを共有して、親御さん自身が不安を抱え込まないことが大切です。

難聴の症状を持つお子さまの90%は、聴力に問題がないご両親の元に生まれています。親御さんの聴力に問題がなければその分だけ、育児、教育、そしてこどもの将来に大きな不安を感じるかもしれません。しかし、親としてしっかり構え、お子さまがお友達と良い人間関係を築き、明るく伸びやかに育つよう、温かく見守ってあげてください。

こどもの難聴と療育

こどもの難聴には、いくつかの原因があります。いずれの場合も、こども自らが耳の不具合に気づくケースは少なく、周囲のおとなが気づくことで難聴が発見されるケースがほとんどです。

滲出性中耳炎 鼓膜内部に炎症性の液体が貯留し、鼓膜で受けた音信号が脳に伝わらない。
軽度な場合が多く、こどもが自覚する場合は稀。
機能性難聴 心因性の難聴。ヘッドフォン越しに音を認識することができるが、聴力全体が低下している。
小学生高学年、女児に多い傾向。正常の聴力を取り戻す可能性が高い。
突発性難聴 原因不明の感音難聴。安静にしてストレスを解消しながら治療する。両耳で起こることもある。
一側性聾 原因としてムンプス(おたふくかぜ)を想起しやすいが、実際は、遺伝性、胎生期性、周産期、後天性のいずれも原因になりうる。正常に聞こえる側の聴力に影響する率は少ないといわれている。
耳小骨や耳介の奇形、外耳道閉鎖 先天的なものだが、5~6歳で手術を行い、聴力を回復するケースもある。
妊娠期ウイルス感染による難聴 妊娠期の風疹やサイトメガロウイルス感染により難聴になる。生まれて早期に発見できると回復することもある。
細菌性髄膜炎 インフルエンザ菌や肺炎球菌による髄膜炎に合併して起こる。両耳で重い難聴が多く、人工内耳を考慮することが多いケース。
ムンプス難聴 おたふく風邪による難聴。おたふく風邪の予防接種が一般的になり、15,000人に一人程度といわれる。
騒音性難聴 耳元で大きな音を聞いたときなどに一時的または永続的に起こる難聴。
頭部外傷 事故などにより、発症するケース。一過性の場合もあれば、治らない場合もあり、症状は個々に異なる。

難聴は、発見が早ければ早いほど良いとされています。というのも、生後6ヶ月までに難聴を発見して療育を開始した場合とそれ以降では、言語獲得の程度に大きな差が生じることがわかっているからです。親御さんは、お子さまの様子を観察したり、検査に積極的に応じるなどして、聞こえ具合に注意を払ってあげましょう。そして、気がかりな点がある場合は、すみやかに医療機関に相談することをおすすめします。

難聴に気づくきっかけ

新生児聴覚スクリーニング
赤ちゃんが寝ている間に検査を行い、音刺激を与えたときに生じる、生理的な反応から聴力を調べます。
産科医院で行われることが多く、生後2週間ほどで難聴を発見できます。検査費用は、医療機関によって異なります。詳しくは、かかりつけの産科医療機関、お住まいの保健センター、保健所にお問い合わせください。
生活行動の観察
「テレビの音量を大きくしたがる」
「話しかけても気づかない方向がある」
「呼びかけるとキョロキョロと探す」
などのきっかけが報告されています。
ことばの発達を目安にする
ことばの発育は個人差があり、あくまでも目安ですが、下記の年齢群に比べて、2、3ヶ月以上の遅れが気になるようでしたら、医療機関や保健センターなどに相談してみましょう。

●ことばの発達の目安

3ヶ月頃 突然音がすると驚く。
聞きなれた音や声が聞こえると静かになる。
話しかけると、「アー」「ウー」と声を出して喜ぶ。
6ヶ月頃 母親の声と他の人の声を聞きわける。
名前を呼ばれると、誰に呼ばれた方向を見る。
人に向かって「マーマー」など声をだす。
9ヶ月頃 「バイバイ」がわかり、身振りをまねする。
「ママ」「パパ」「イヤ」など簡単な単語を理解し、「ダメ」と強く言うと手を引っ込めるようになる。
10ヶ月頃 「アーアー」「バババ」など喃語(なんご:意味のない発音)をつなげて言葉のように話す。
1才~1才半頃 「ねんね」「ちょうだい」といった簡単な指示を理解し従える。
意味のある単語を2~3語いえる。
2才頃 本を読むと聞こうとする。
おとなが意味を理解できる言葉を発するようになる。
3才頃 欲求や感情を表したり、質問をするようになる。